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2025年3月14日(金)   プロ野球オープン戦観戦 
 3月も半ばとなり、プロ野球のオープン戦が各地で行われている。ヤクルスワローズの前身国鉄スワローズ時代から六十数年にわたるヤクルトファンとしては、オープン戦とはいえ、一度は選手の調子を観ておきたいと、4~5月のような最高気温のなか、明治神宮野球場に足を運ぶ。
 球場正面では、2月に急逝したつば九郎と、つばみの人形が出迎えてくれる。つば九郎はヤクルトファンを越えて、プロ野球愛好家、さらに一般の子どもたちにもその名を知られ、愛されたヤクルト球団のマスコットのひとり、いや一羽のつばめである。つば九郎のぬいぐるみに入っていた担当者は、真夏でも、もこもこのぬいぐるみの中で大汗をかき、息も絶え絶えの重労働をこなすこと、30年に及んだという。結局、50歳代で寿命が尽きたわけであるが、ご冥福をお祈りするとともに、いなくなって改めてその存在の大きさ、独特の仕草、悪の強いパフォーマンスを懐かしく思い出す。
 つば九郎亡きあと、妹のつばみがつば九郎になり代わって、場内アナウンスに促されて守備位置に向かう選手を送り出す姿を見ると、兄のつば九郎の分まで頑張って勤めようとする健気さに感激してしまう。

 明治神宮野球場正面 つばみ(左) つばくろう(右)

守備位置に向かう選手を送り出すつばみ 
 
 バックネット裏の席からは審判員、捕手、打者、投手の姿が大きく目に入り、外野席を含めて球場全体を俯瞰することがてきて気分爽快の観戦となる。
 神宮球場では、ヤクルトが得点をあげるたびに、親愛なるファン諸氏は一斉にビニール傘を開き、鳴り響く球団応援歌のリズムに合わせて頭上の左右にビニール傘を突き上げて気勢をあげるのが習わしとなっている。ファン同士が喜び合い、一体となるための素晴らしい応援で、さらにナイターでは照明の灯りを反射したビニール傘がキラキラと輝いて見え、ファン全体がひとつの歓喜の灯りとなる
 
バックネット裏席からの球場の様子

得点をあげたことを祝し恒例のビニール傘の花が咲く  
 
 春先の観戦では陽で照っていても時間の経過とともに、野球場特有の底冷えがあり、寒さが身に染みてくるが、本日は気温が高いこともあり、ビール売りの女性が右や左へ、そして上へ下へと大忙し。私と友人は生ビールを納めた重いタンクを担いで移動するビール売りの女性をわき目で見ながら、持参した日本酒の冷やをマホービンからコップを注いで観戦半分、飲み会半分の世界にどっぷりと浸る。
 試合の合間には、つばみが観客に応援を促して、小さな体を精一杯使ってビニール傘を片手に振り上げている。


 

ネット裏の前から10列目より上の席は正面入口の高い壁によって陽射しが遮られてしまうが ビールは観戦に不可分のようで多くの観客が次々とビール売りの女性からビールを買っている

つば九郎よりも二回りは小さいつばみは 精一杯観客を楽しませる健気なつばめである
 
 レフトスタンド後方には、2021年の東京オリンピックのメイン会場となった国立競技場が建っている。木材をふんだんに使って造り上げられた曲線を描くスタンドは、神宮球場を見下ろしているようにも見える。神宮球場も建替え計画があり、そのせいか、球場や国立競技場のまわりの道路の一部が封鎖され、どのような景観に変わるのかわからないが、工事が進行しているようである。
 試合は我々の応援もあり、主砲の村上選手が体調不良で欠場したものの、ヤクルトスワローズが快勝してオープン戦五連勝。今年は何かが起こるような予感も。
 
レフトスタンドの後方には国立競技場が見える

国立競技場の周囲は散歩するにはもってこいの広場のように整備され 子供を乳母車に乗せたり 犬の散歩を楽しむ人たちが途絶えることなく 行き来している  


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